さいたまの大宮のオーディオショップ「PEACE」
で、ベントレーのオーディオ装着をお願いしました。このお店は、店主はまだ30歳くらいとお若いのですが、パイオニアのカロッツエリアXのコンテストの常連であり、ドイツの有名メーカー「ブラックス」のコンテストでも優勝した実力店です。店主は、もともと電装関係のお仕事だったようですが、趣味が高じてオーディオの世界に入り、ショップを構えるに至ったようです。と言っても、本当に気さくで、礼儀正しく、オーディオが好きで好きでしょうがないという店主のこだわりとチャレンジ精神が伝わってきます。
私がこのお店を知ったきっかけは、2005年の幕張のカーオーディオのイベントで聴いたデモカーの中では最も、グッとくる音色を実現していたからです。今回使用した、ディナウディオのエソターと呼ばれる巨大なツイーター(15cmくらいの直径)は、イタリアの高級スピーカーメーカーである、ソナスファベールにも使われており、弦楽器の再生においては他の追随を許さないメーカーであります。
このESOTARを如何に装着するかが、今回の大きなチャレンジでした。 そして、問題は16cmウーハーです。ディナウディオのウーハーは鳴らしにくいので有名です。ベントレーのドアは前の三分の一くらいのとこで仕切り板があり、容量がかなり小さくなっています。ここでの背圧を上手に調整しながら、出てくる音のピーク・ディップなどの問題を巧くまとめながら、スピーカー本来の音色を引き出すのは、素人にはまず無理でしょうね。
プロショップはデッドニングでも、車種、スピーカーの種類、装着位置で、プチルゴム系やアスファルト系のものを上手に使い分けます。また、バッフル板も、MDFやアピトン合板やシナ合板など、様々な特色を活かして使い分け、ベストな調整を行うのです。なお、カタログデータでは分からない、(そもそもカタログデータはかなりばらつきが多いので信用に値しない)し、スピーカーも装着するとインピーダンスがかなり変化しますので、やはり自分の耳が最後の頼りではないかと思います。
最近では、カロッツエリアXなどのデジタル・プロセッサーが大流行ですが、実際に聴いた感じの満足感は、アナログだろうがデジタルだろうが、最後は自分の好みになってくるので、お店の方の腕を信じるしかありません。幕張に参加していたデモカーの多くが、カロッツェリアXとソニックオーディオやビーウィズなどの人気スピーカーの組み合わせだったのですが、どの車を聴いても同じに聴こえました。その中で、飛びぬけて音が良かったのは、石川県のアンティフォン、長野県のペーパームーンと、大宮のPEACEでした。
実は当初、ヘッドユニット及びアンプ、DAコンバータ、ケーブル関係をプロの方に頼み、最後のスピーカーのみ、自分でインストールしようと、カナダのAVIの旧型の3wayを何とかして入手し、ドアの内張りをはがし、デッドニングまでしましたが、、、、挫折しました。 過去に、数回、ハイエンドオーディオをすべて自分で取り付けたことがあるのですが、かなり大変です。内装をばらす、ねじを外す、ケーブルを引く、週末ごとにチビチビ作業して、片付けて、又チビチビ作業して、片付けてを繰り返しているうちに、パーツが消えてしまったり、装着方法が分からなくなったり、結局車を傷めてしまい、価値を下げるだけだと気づきました。
確かに付けて音を出すだけならば、素人でも出来なくは無いのですが、仕上がりが全く違います。そして何よりも音のまとまりが違うのです。DIY整備は楽しくお金の節約にもなりますが、「プロ」の仕事をどう考えるかという問題は人それぞれでしょう。自動車整備の作業工賃は、時間当たり8000円前後だと思います。当然、その中には、利益は当然として、工場設備や工具など、、そして何よりもそのプロが一人前になる為に要した時間というものも入っているわけですから、そんなに暴利ではないと思います。
私も20代の頃は、相当カモられましたし、嫌な思いもしました。今のようにインターネットもなく、マニアックな車だと情報が限られていますから、悪徳ショップや正規ディーラーの言いなりになっていましたね。今思い返せば馬鹿馬鹿しい限りですが、それも一つの人生勉強で、決してムダではなかったと思っております。やはり「その道のプロ」の仕事には学ぶ点も多く、雑誌には載っていないが「技術レベルが高く、良心的な工場」や「若いけど勉強熱心な職人」などと出会う事は、中古車趣味の醍醐味といってもいいでしょう。
又、逆に雑誌にも載っている有名なお店だけど、実際はたいした事なかったり、あまりにも自信満々だったり、個性が強すぎたり、またあまりにも商売熱心すぎて、自分とは合わない場合も多々あります。よく「中古車選び」は「店選び」、「店選び」は「人選び」と言われます。中古車は新車に比べて、かなりの人間が介在しますし、そういう付き合いを上手にすることは、なかなかの人生修行になると私は思っております。
カーオーディオの世界で、「前方定位」という表現があります。ダッシュボードの向こう 側に、音場が結ばれるという状態を指しますが、これを実現させる為に、デジタル・カー オーディオの世界では、タイムアライメントやデジタル・ネットワーク、イコライジングという画期的な解決策が提案され、一気に水準を引き上げましたが、逆に趣味性という ものから、どんどん乖離しているように思います。私は、かつてはデジタル音場派でした が、ああいうピンポイント定位の手法に興味を失って、限りないユニット志向の音色派になってしまいました。
装着したばかりのディナウディオのEsotarの鳴り具合は、まだエージングも半ばだったので、まだこれからと言う感じですが、雰囲気だけは、ムンムンしています。アンプもオーディソンの旧型のVRシリーズですので、相性もよろしいのではないでしょうか。そんなことよりも、Esotarの支配力があまりにも強いので、ヘッドがマッキンだろうがアンプがオーディソンだろうがあんまり関係ないのです。。エンクロージャーに入れて、正面から聴いてもかなり強烈ですが、車内の狭いスペースで真横から、鳴っているのもまた凄いものです。
8 件のコメント:
その後ベントレーのオーディオは完成しましたか? 音の満足度はいかがでしょうか?
トウユウさん。
お返事が遅れました。
もう数年前に完成しております。
バランスはイマイチですが、スピーカーの実力の一端を味わうだけでも価値があったと思うインストールでした。パッと見は純正なのも気に入っています。
バランス良く完成させるのはそう簡単ではなさそうですね。 新しく買ったAzure(旧型)に乗って週末に出かけたところスピーカーがガシャガシャ音割れしてるのに気付きウキウキがいきなりトホホホとなってしまいました。 費用対効果を考えて、純正同等クラスのスピーカー交換で対処しようと思います。
トウユウさん、AZUREにお乗りなんですか?
こりゃまたすごいですね。。
シーザートレーディングのブログによく登場していますね。。
スピーカーはご自分で交換されましたか?
シーザートレーディングのAzure祭りっていうのに乗せられてダイヤモンドブルーのを買っちゃいました。この時世どうせ誰も買わないと思ってたらワインレッド、紺、緑の順にポンポン売れて、残るは1台になってしまったので焦って買いました。 グレーは不人気色なのでしょうか、4台中ダントツに程度が良かったのに残ってました。最初からこの車を狙ってたのでラッキーでした。長い間旧コーニッチも気にしてましたが、46歳の僕にはイマイチ似合わない、新型Azureは金持ちに勘違いされる、あまりお金はないけど車は大好きって雰囲気を出せる旧Azureが調度良いと思い決めました。 スピーカーは今シーザーのメカニックと相談中ですので、後でまた報告しますね。
トウユウ様、Azureは浮世離れしてますよ。
あまりにも希少ですし、あんなに大きなクーペは無いから、見た人はびっくりしませんか?
シーザーで購入されたんですね。ならば安心かと思います。アフターサービスも万全ですし、納車整備も完璧だと思います。一度、拝見したいですね。
東京にお戻りの際は是非連絡を。会社は虎ノ門で自宅は15分の距離です。今整備中で1ヵ月後に戻る予定でオーディオも聴ける様になってるはずです。といってもカーナビのオーディオですが。
オーディオに詳しい方に言うと邪道だと怒られるのですが、今までで聴き易くて良いと思ったのは全てメーカーの純正オーディオで、140のBOSEは悪くない、RangeRoverのHarmanKardon(MarkLevinsonでしたっけ?)もなかなか、221のHarmanKardonは今のところ車のオーディオの中では一番気に入ってます。 これと同じのを作れればドンピシャなのですが。
トウユウ様、是非拝見したいですね。
もし写真があれば、sunawaki@nifty.comまで送って下さいませんか。
Azureの整備の模様は、シーザーブログ通りだったりすると、物凄いですね。
年式は違えど、同じSZ系のモデルですから、基本は消耗品の交換と、オーバーホールで何とかなるので、以外と維持費はかからないように思います。ただし、これはシーザーさんで買った方へのアフターサービスや、海外から部品を取り寄せて、馴染みの工場へ持ち込んだ場合です。
オーディオの件ですが、最近のナビの音質は侮れません。
多分、Azureの場合は純正を崩さないようなインストールだと思いますから、あれこれ弄らない方が宜しいかと思います。
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