2014年8月25日月曜日

ベントレー シートコンピューターのリペア  Part3

さて、修理が完了したシートECUを早速装着し、ちゃんと動作をするのかを確認することにしよう。

まずは、シートの座面の取り外しであるが、後ろからシートの下を除くとこのような状態でベルトをフックで固定されている。
 前にも同様にフックで固定されており、これを取り外すと座面を「エイ!!」と持ち上げる。コネクタの接続は簡単である。念のために配線コード類は再度タイラップで締めなおしたほうがよい。

 オーディオの交換も同時に行う。吸音材を入れて、音の反射を防ぐ。
ヘッドユニットを1DINナビゲーションのAVN078HDに交換したので、ネットワークを使わないシステムは使えなくなり、a/d/sの13cm高級スピーカー 345is をヤフオクにて調達した。ネットワークの大きさが凄い。。

仮組みして音を聴いてみたが、、、、、さすがのスピーカーであった。ただし、内臓アンプの限界が至る所で露見し、改善を図ろうも、最近のナビゲーションはRCA外部出力が無い。そこで、ハイ・ローコンバーターでスピーカーをRCA出力に変換するか、スピーカー入力のある小型アンプをシートの下に置くことで改善を図りたい。



2014年8月24日日曜日

ベントレー シートコンピューターのリペア  Part2

先週、滋賀オーディオサービスに依頼していた、ベントレーのシートコンピューターの修理が終了し、私まで送り返されてきた。その際、詳細な修理のご報告があったので、皆様にもご紹介したいと思う。

下の写真は、故障の原因であるバッテリーの腐食の様子である。基盤を侵食している様子がよく分かる。


 基盤の裏にまで侵食が進行しています。

 これが一番ひどい!!!


リレー接点は分解清掃と基盤腐食部分は緑色のコーティング剤で処理が行われています。


腐食の実装部品は取外し腐食部を削り取りして基盤洗浄しているとのこと。


ICからのパターン切れはパターン上から0.29MMすずメッキ線で修正、(この箇所はジャンパー線修正をしますと誘導ノイズが発生します)リレー動作回路は裏面ジャンパー線修正しています。


完成です。ものすごい技術!!!


2014年8月7日木曜日

ベントレー シートコンピューターのリペア  Part1

SZ系のロールス&ベントレーの宿命で、パワーシートのコントロールが必ず利かなくなる。その原因は、ECU内部の小さなバッテリーが液漏れを起こし、配線関係が駄目になってしまうのである。

今回難儀したのは、シートが動かないので、シート下に固定してある20cmサイズのECUが取れないのだ。インターネットを駆使しても、このECUのはずし方はどこにも載っていない。唯一、一台が何とか動いたので、シートレールを固定している5mmのトルクスを外してもらったが、相当堅かったようだ。今回の作業で奥崎工場長は、シートを前後左右にさすってみて、「これはここだけ外れますね」と見きわめ、背面側から下の隙間に布ベルトで固定しているフックを発見し、あっという間に座面を持ち上げて、ECUを取り外してしまった。



作業の留意点として、このECUにつながっているケーブル類が複雑にタイラップで固定されており、狭い場所に手を入れて、丁寧に外さなければならない。

私が昨年の秋から悪戦苦闘しているのに、たったの一時間で二台とも脱着完了。さすがプロの仕事である。プロにお願いするのは、技術を買うとともに時間を買うのだと痛感した。

ベントレーのECUのリペアの定番は、英国の業者に本体を送ると、リペア済みのものが返送されてくる。日本円でおおよそ45000円もする。二台で4個だから税金や送料で20万円コースである。

そこで、色々と調べたところ、このECUは初代のレンジローバーと同じ部品であり、専門のリペア業者がいくつか存在するのだ。そのうちのひとつが、滋賀オーディオサービスさんである。

以下は、お見積もりのメールです。

4セット拝見させて頂きました、4台共両面基盤に腐食がかなり進んでいます、
1セットはリレー接点まで腐食して有りこのリレーは特殊ですので接点修正を考えております。
4台共両面プリント基盤パターン修正、ジャンパー修正、基盤腐食防止コーティングをします。
交換部品:ニッケル水素電池、電解コンデンサー3個、

セラミックコンデンサー3個、

コンパレータIC2個、ダイオード1個、抵抗2個交換になると思います。
(セットにより交換部品の数量が変化します。)
4台共改善修理を考えて降りますがかなり腐食が進んでます、当社では交換部品回路点検は出来ますが
車両装着通電TESTが出来ません、完了後お客様にTESTをお願いする事に成ります。
修理見積りですが、1セットで約工料12.000円+部品3.500円=15.500円
送料4セット一箱1.000円+消費税です。
例15.500円×4=62.000円+送料1.000円+消費税5.040円合計68.040円

では、具体的にどのようにリペアするのかを専門業者である滋賀オーディオサービスさんのブログから転載。

VARTA製電池の液漏れでプリント基板腐食誤動作、動作しない故障。電池とコンパレータICを外しますとほとんどこの様な状態になっています。

 誤動作で別の回路まで故障が出る時も有ります、写真の腐食はまだ初期状態ですがかなりひどい状態も有ります。動作回路を確認してプリントパターンを修正不良部品交換、改善完了後基盤腐食防止コーティングをして完成。

20年以上前の英国車のECUを本国よりも高い修理技術とリーズナブルな修理費用でやってのける業者があることを知り驚いた。このような名も無い職人の持つ倫理観、が日本の底力なのではないか。

2014年8月4日月曜日

ベントレー 二号機 エアコンの修理 Part1



ベントレー二号機は、購入後、ナンバーを取得するかどうか迷っているうちに三年半が経ってしまった。車検証(一時抹消)によると、かれこれ15年以上は不動状態の為に、まずは初期化整備を行うことにした。

今回の初期化整備は、近所の日産ディーラーにお願いして、オイル交換とATフルードと冷却水の交換をお願いしが、やはり原則的には国産車しか対応できないようで、オイル交換以外は断られてしまった。そこで、いつもの粘り腰でエアコンのガス漏れ対策として、リーク剤の注入をお願いした。


この商品は、ストップリークとして名称で売られいます。楽天で16000円くらいでしたね。過去に、ベントレーの1号機、600SL、164Q4、を同様の手法で修理しているが、その際にはR12からR134へのレトロフィットも併せて行っており、低費用で完治した。当商品は、ノンポリマーといううたい文句で、エキパンもリキタンもそのまま使えるようです。これで治るならば、こんなラッキーなことは無い。

作業そのものは、まずは真空引きを行い、その後にエアコンホースから、専用のアタッチメントを使って、リーク剤を注入します。急な圧力の低下も無く、おおきなリークもないようだと安心もつかの間、さっきまで動いていたブロアモーターがなぜか不動状態になり、そこで作業は終了。

さて、問題は、ブロアモーターもしくは、そのスイッチ関係だと判断し、いつもの阪神マイカーランドさんの工場まで搬送中になんとエアコンから風が出ている事に気づき、一安心。そこで、ATフルードと冷却水の交換、ブレーキ・アキュムレーターの交換をお願いすることになりました。

そして、燃料のプレッシャーレギュレーターの故障が見つかり、部品の価格をお聞きすると「6万くらいです」とのことなので、部品持込でお願いしたところ快諾を頂きました。


預けておいた間に、工場長に、エアコンのガス漏れチェックをして頂きました。なんと!!ガスは殆ど抜けており、リークテスターにて探ったところ、低圧ホース側から激しい反応があったとのこと。

そこで、このホースを外して頂き、愛知にある専門業者 「スギタ ラジエターワークス」さんに送ることにしました。

奥崎工場長、作業が丁寧かつ早い早い。
早すぎて、写真ではぶれております。






外した部品がこれ。そういえば、1号機も同じようにホースが壊れたなあ。

ちなみに、今回の整備費用は極めてリーズナブルでした。

ブレーキアキュムレーター左右交換      24000 (部品持込)
クーラント交換                    6000  5340
ATF交換                        8000  10500  
フューエルプレッシャーレギュレーター交換   6000  (部品持込)

※二台のベントレーのシートコンピューターと、2号機のエアコン高圧ホースの取り外しは、サービスでやって頂きました。感謝!!!この作業を奥崎工場長は、これをたったの一時間で全て完了。

もし、自分でやったなら、試行錯誤の上、とんでもなく時間がかかるだけでしょう。

よきメカニックとの出会いは、クルマ人生を豊かにしてくれますね。DIY整備も楽しいですが、やはりクルマはプロがきちんと診断して、高い技術で直すのが一番です。調子の悪い状態でだましだまし乗るのが一番もったいないなあと思う今日この頃です。。

さようなら R129 500SL 生まれ故郷のドイツへ里帰り

阪神マイカーランドにてソフトトップシリンダーの修理が終わり、5年半保有したR129 500SLを売却することになった。これで、旧世代のベンツは私のポートフォリオからは無くなってしまった。

売却先の業者によると、この車はドイツに輸出する事になるとのこと。すでに、程度の良いR129やW126は、日本にしかないらしく、この世代のベンツはネオクラシックとしてすでに相場が高騰しているという。

23年前ぶりに、ドイツに帰ることになる我が500SLも、ドイツでどんな方に乗られることになるのであろうか?

R129の500SLは、現在の感覚では驚くほどの小ささであるが、ものすごい存在感を周囲に与える。






 引渡し前に入念に洗車し、ワックスもかけておいた。