この写真はおよそ三年前のものである。
思えば、この三年間で様々なことがあった。二度の異動、四回の引越し、そして妻の他界。昔の写真をみると、当時の記憶が鮮明に蘇ってくるが、すぐにそれは儚く消えてしまう。
ガレージに収めている二台のベントレーとR129 500SLは、三年たった今もまだ私の手元にある。これらの車を見て、当時を思い出すこともある。しかし、その存在は私の中ではどんどん小さくなり、殆ど忘れていたと言っても過言ではない。物置にしまったままの作りかけのプラモデルのようなものに成り果てていた。
今年になってから、W140を二台処分し、より新しい年代のモデルに入れ替えていたが、やはりこの車はまだ処分できないでいる。それは簡単に売れないせいもあるが、売るには躊躇させられる重さもあるのだ。
このベントレー二号機は、私の元に来てから一度もナンバーをつけずに、単なるコレクションとしてガレージの一等地に鎮座していた。大阪に来てから陽のあたらない立体駐車場の奥にしまっていたが、ようやく重い腰を上げてこの車を動かしてみようかという気になった。
購入時の一時抹消登録を見てみると、所有者は神戸の企業経営者であり、登録は平成6年であるが、その後平成14年に抹消され、そこからずっと不動のままで業者オークションにかけられ、私が購入することになった。当時の記事はこちら。
走行距離も1.2万kmという極上車である。
この日曜日に、突然思い立って、不動状態であったパワーウインドウの修理を行うことにした。手順どおりに行えば、ドアの脱着はさほど難しくはないが、初めての方は多分右往左往されるかと思う。
ベントレーやロールスの物づくりの凄さとあまりの「時代遅れぶり」に接するには良い経験になるので、一度は内張りの脱着にチャレンジしてみよう。
まずはここから手をつける。細いドライバーでも何でも良いが傷はつけてはいけない。
ここのねじのめっきに驚く。多分スズめっきであろう。
パワーウインドウのスイッチもこの通り。
次は、手すりの下のネジを外す。
下から見るとこんな感じだ。ピンボケですが、、、
下のネジを日本外せばこのように肘掛の下部が外れます。初めて外す際には固着しているかもしれないので慎重に。。
ドアポケットの下にも固定用のネジがある。ここを忘れて無理に引っ張らないようにしましょう。
ここにも隠しネジがある。左右二つあるので要注意。
内張り一体はこのようなビニルシートで覆われており、粘着性の高い接着剤でベトベトだ。これは、パーツクリーナーで簡単に取れるので安心を。
作業の手順は、黒いカバーは25mのトルクスネジでを二箇所固定されており、それを外したらぐるりと回転させて、、、ここでピンチ!!モーターユニットとレギュレーター側を固定しているナットがなんとインチサイズであった。手元の10mmでは小さく12mmでは大きい。11mmのスパナなんか持っていない。。
作業を中断してホームセンターに行こうかと思ったが、トランクに積まれていた純正の工具箱を開けてみると、、、なんと新品同様のインチ工具が出てきた。
グリスでゴムブッシュが粉々になって奥までこびりついている。これはパーツクリーナーを何度も吹いて根気よく取り除いた。
これが、二十年たったゴムブッシュだ。
新品はコーンズだと3000円以上するらしい。あほらしいので、英国のintrocarにオーダーしたら、ひとつ1000円以下だった。それでも高いね。。。(笑)せっかくだから3個オーダーして、送料込みで合計で26ポンド。
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