2010年5月2日日曜日

シトロエンXMへの憧憬


いつかは買いたいと思っているクルマの最有力候補は、シトロエンのXMである。その理由は、まずはジウジアーロ作といわれる前衛的なデザインと、分厚いじゅうたんのような個性的な乗り心地であろう。この写真は、街中で偶然発見したXM。やはり、風景を一変させる存在感は只者ではない。。

三月、川崎にある「ミヤマエオート」というフランス車専門のお店に行ってきました。この写真のXm エクゼクティブは、このお店の売りもので、車検が一年くらいついて、38万円なり、、ヤフオクからの出品で、冷やかし半分、本気半分で見に行きました。
見ての通り、エンスー魂をくすぐるこの工場。店長も、スタッフもなぜか60代のかたばかり。。ここは、都会のオアシスなのか??
まるで、昔のフランス映画の一こまのような眺め、、アラン・ドロンとリノ・ヴァンチュラがジョアンナ・シムカスをめぐる三角関係を描いた、ロベール・アンリコ監督の「冒険者たち」にこんなシーンがあったなあ。

私は、実は1992年に、杉並の西武自動車で、新車のXMに試乗したことがある。当然ながら、その当時の稼ぎでは手は出なかったのだが、、お店の方の好意で試乗をさせていただいた。その時の運転感覚が非常に印象に残っており、、いつかは、XMという思いは常にあったのだ。

今回の物件は、年式から言えば、中後期型になり、車名もXmと表記される。初期型において頻発したトラブルもあらかた改善され、普通に乗ってあんまり壊れないとのことである。外車に経験ある方ならば、特に往生することもないのではないか。造りそのものは、極めて理論的、かつ合理的な車なのではないかと思う。

中古外車の鬼門といえば、まずはシリーズⅢのジャガー、とりわけDD6、ランチャテーマ8.32、そしてこのシトロエンXMであろう。しかし、その風評は、おもに煮つめのあまいまま発表された初期型のトラブルに起因するものがほとんどで、そのせいか中古車ではマニア以外は手を出すような物件ではないようである。そのせいか、クルマ屋さんの販売価格と、個人売買の価格の差が著しく、ヤフオクなどで良質車を安価に入手できたのならば、非常にお買い得なのではないかと思われる。

試乗した印象をまとめると、まずXmはシートが素晴らしい。エクゼクティブ仕様は本革仕様であるが、ノーマルモデルのほうが、ファブリックなので、体が滑らないので、疲れないように思う。
この車の初代オーナーは、外装がワインメタリック(マルーン)で、内装がベージュという、非常にセンスの良い組み合わせを選んだことからも、なかなかの趣味人だったのではないかと思わせる。

お店の方を助手席に乗せて、運転席に座ってみる。まず驚くのが、ガラスの開口度の高さからくる視界の広さである。Aピラーは傾斜しているが、ドアのガラスの位置がかなり低いので、解放感たっぷりである。これは、昨今の車が、外目にはかっこよく見えても、いざ運転席に座ると、いきなり視界が狭くなるのとは好対照である。

さて、発進、、、クルマは、するすると走り出し、ハイドロ特有の路面をいなすような走りが面白い。3000ccのエンジンも必要にして十分なパワーであるが、いかんせんオートマチックのセッティングがあまり良くない。日本の道路事情では、この車のいい面を味わう事は中々難しのではないか。。

しばらくして、空いた国道を80kmくらいで走ってみる。想像していた通りの、ハイドロの走りである。まさひく、分厚いじゅうたんをいなすような、非常に官能的なフィーリングである。

今回は残念ながら、ご縁がなかったが、近いうちにXmの良質車をゲットして、このミヤマエオートに持ち込んで、日がな一日整備の様子を眺めて過ごすのもいいかもしれない。

こんな遊びが似合うのは、やはりシトロエンのシトロエンたる所以なのかも知れません。

4 件のコメント:

ジャンニ さんのコメント...

XMのデザインはベルトーネです。イタルではありません。

過去、所有していました。鈍重なATと燃費の悪ささえ我慢できれば良いクルマですよ。

Felipe 四世 さんのコメント...

ジャンニさん。はじめまして。コメントを頂き有難うございます。御指摘を頂くまで、てっきりジウジアーロだと思い込んでいました( ̄◇ ̄;)

XMは、初期型はなかなか手に負えない個体が多いみたいですが、Xmになってからは、まあなんとかなるような話を聞きます。

フランスは、大好きな国ですから、近いうちに手に入れるつもりです。

トウユウ さんのコメント...

カーセンサーでCXワゴン 4.8万kmというのを見つけてついつい見に行ってきました。写真ではキレイに見えたので本当に買ってしまったらどうしようかと半分恐る恐るでしたが、現車は錆少々、ドアは下がってる、シートはへたってるで瞬間却下でした。独特の乗り心地は面白いのでしょうが、今となっては使用感の少ない個体などもう出てこないでしょうからXMとSMを含め眺めて楽しむだけにしておこうと思いました。

Felipe 四世 さんのコメント...

確かに、CXは手を出さない方が良いモデルでしょうね。
私も、XMには何度か手を出しかけましたが、XMでは無くXmと呼ばれる中期型は、比較的故障も少なく、キチンと整備すれば問題無く乗れるそうです。
XMなどは、北海道のロングツーリングにはもってこいですが、途中で故障でもされたら正に生死にかかわりますから、二の足を踏んでしまいます。
でも、欧州では皆そんな使い方してるんですよね。