2009年12月8日火曜日

極上レベル シリーズⅢ ダブルシックスを体験する

11月の中旬の平日の夜、千代田区の某所にて、シリーズⅢダイムラーダブルシックスの極乗車を体験することができた。
この車は所謂ヤフオク物件であるが、いわゆる業者出品ではなく、正真正銘の個人出品である。

このDD6のオーナーである会社経営者Y氏は、レンジローバーを購入したディーラーで、下取りに入ったこのDD6に一目惚れし購入を決意。機関のリフレッシュや内外装の修繕などで、150万相当のメンテナンスを施し、以降はほぼ完調との事。

外装色は珍しい「オイスター」というゴールドがかったシルバー。ちょうど、牡蠣の殻の内側の色を言えば分かりやすいかもしれない。


オーナーY氏のご厚意に甘えて、試乗をさせていただく。流石に150万円の整備は伊達ではない。V12エンジンのバンクの同調は全く文句なし。足回りは5万kmという走行距離を考えれば、各部のリペアが必要かと考えられるが、平滑な路面では文句はないレベルであった。保管状況が良かったのか、夜という状況を考えても、年代を感じさせない外観であった。内装もこの年式や距離にしては、相当にきれいな部類に入る。



思えば、私はシリーズⅢを過去2回、X300を過去1回購入している。そのいずれも短い期間で売却してしまった。その理由は、まず何よりも、購入した個体の程度が中の下レベルであったからだ。走行距離こそ、実走行で三万km台というまずますの車でも、ことジャガー、とりわけ12気筒モデルについては、専門家による整備および各部の調整を必要とし、この有無がフィーリングに多大な影響を与える。今回の試乗は、本調子のDD6はかくも素晴らしいものであることを改めて認識する良い機会となった。





残念ながら、今回は購入には至らなかったが、五十万円程度で、あれだけ手の入ったDD6が入手出来るのであれば、昨今の不景気も悪い事ばかりではないということかもしれない。

減税や補助金に後押しされた「エコカー・ブーム」であるが、一台の車を何十年も乗り続けることも一つのエコである。行政の補助や税制の優遇はないが、日本におけるネオクラシックカーの相場は世界的にも割安であるし、個人売買で良好な個体を運よく入手出来るのであれば、逃す手はないとさえ思う。

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