普段は、あまり乗ることの少ないRRシルバー・スパーⅡですが、やはり、汚れているロールス・ロイスって、様になりません。そこで、洗車となるわけですが、マンション住まいでは、ざぶざぶと洗車するということは、夢のまた夢です。
私は、車種を問わず、機械式の洗車機を躊躇なく使用しています。その理由として、外出先で気軽に洗えること、比較的安いこと、早いことがありますが、それ以外に、「手洗いに比べて、ダメージが少ない」という、理由もあります。
下の写真は、機械式洗車機を使用して、RRを洗ったら、ラジエーターグリル上の「スピリット・オブ・エクスタシー」がモゲやしないか、心配でしたが、問題ありません。
ちなみに、「スピリット・オブ・エクスタシー」というのは、
1910年頃、モータリストとして、そして初期の自動車雑誌"The Car"の編集者としても有名だった英国貴族、ジョン・スコット・モンタギューが、自身のシルバー・ゴーストに、ロールス・ロイスの内に秘めた高性能にふさわしいフード・マスコットを装着することを決心したことが始まりであるそうです。
友人の彫刻家、チャールズ・サイクスは、過去に手掛けていた"Silver Fancy"という名の作品を元にイメージを膨らませ、ギリシャ神話の女神、ニケに似た翼を持つ女性のマスコットを完成させた。ここでモデルになったのはモンタギューの秘書の女性であったそうな。。
完成したマスコットには程なく、"Spirit of Ecstasy"という作品名が与えられた。その後、1911年からロールス・ロイスの正式なフード・マスコットとなることが決定したらしい。
これ以降、「スピリット・オブ・エクスタシー」はロールス・ロイスの代名詞というべき存在となった。ただしあくまでマスコットであったことから一部のユーザーはこれを装着せず、自身の好むマスコットを装着する例もすくなくなかった。英国王室も例外ではなく、公式行事の際はイングランドの守護聖人であるセント・ジョージが槍をかざしてドラゴンと戦う様を描いた専用のマスコットを装着しているようです。
かつて、総てのスピリット・オブ・エクスタシーは、サイクスの工房で一つ一つロストワックスによって製作されていた。ユニークだったのは、鋳型から出された作品は、荒磨きの後サクランボの種を砕いた磨き粉で仕上げられ、濡らしたタバコの葉に包まれて保存されていたこと。この方法であれば数か月は輝きが曇ることはなかったといわれている。ちなみに1928年までは総ての作品はサイクス自身の手で検査が行われていたという。
乾燥機が、ギリギリで通過してゆきます。結構スリルがあります。
洗車した後の、シルバースパーⅡ。そこそこは、綺麗になりましたが、経年劣化のために、かなり艶が無くなっています。八月に、ベントレー・ターボR を施行してもらった、ポリッシュ・ファクトリーに予約していますので、外装の研磨と、ガラスコーティングで、艶は完全復活するでしょう。