三年前に、購入した初代プリウス。この車は、トヨタの輝かしい歴史に燦然と輝く、金字塔であろう。20世紀中に、このような車を作ったということだけでも、トヨタという企業を尊敬できる。
トヨタは、大企業であるがゆえに、何かとバッシングを受けやすい。しかし、日本にトヨタがなければ、90年代の失われた15年とも言われる大不況時代、日本人のアイデンティティは、どうなっていたであろう。
もし天皇制が廃止されても、日本人の精神構造やエトスには、大きな変化は生じないだろうが、トヨタが突然に倒産したりすれば、どんな影響があるだろう。勤勉、倹約、質素を美徳とするトヨタには、欧州車のような、高級車を作るのは、難しいかもしれない。しかし、勤勉、倹約、質素を突き詰めていけば、ブレイク・スルーが起こることを、プリウスは証明して見せた。
初代プリウスは、この後ろ斜めからの眺めが良い。10年前のものとは思えない洗練されたデザイン。2代目、3代目のデザインは、あまり好みではない。
個性的な、ダッシュボード、今見ても全く古臭い感じがしない。センターメーターも慣れると本当に使いやすい。運転感覚は非常に個性的で、エンジンとモーターが交互に助け合いながら、仕事をしている様子が、音でわかる。
室内も、思いのほか広大で、後席のヘッドスペースもゆったり。初代プリウスは、何よりも世界初のハイブリッド技術が最大の特徴であるが、その車体剛性の高さ、室内空間の広さ、仏車を思わせる乗り心地、未来的な造形の内外装、など、、従来の日本車の基準を塗り替えるエポックメイキングな車であった。
今、中古車市場では、初代プリウスもそこそこ人気があり、初期型の程度の良いものは、70万から80万くらいで、取引されている。新車価格や年式を考えれば、驚異的な値落ちの少なさであり、今後も大きく下がることは無いであろう。
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