2008年9月3日水曜日

W140 12気筒の神話と実話

巷では、「12気筒のベンツは本当に壊れる、修理代にいくらかかるか分からない、手を出すべきではない」という定説がまかり通っています。小生は現在、3台の12気筒ベンツを所有していており、それぞれモデルも年式もコンディションも違うので、一概には言えませんが、私の出した結論は、「ベンツの12気筒モデルは、いいものをじっくり選らんで買えば、驚くほどお金がかからない」

でもこんな声が聞こえてきそうです。「いや、それはあまりに楽観的過ぎるのでは?実際にあちこっちで悲劇が起こっているじゃないですか? 「くるまにあ」や「GERAMANCAR」には、W140はS320が買いと書いてありましたよ?」確かにその通りだと思います。しかし、小生は、あくまでもW140は12気筒を買うべきだとここで皆様に強いリコメンドをしたい。なぜなら、メルセデスの旗艦モデルには、その時代の自動車としての理想が込められており、「最善か無か」で知られる、妥協を許さない車作りで知られるメルセデスが、十年近い開発期間をかけて気合を入れて作った車が悪いはずが無いと思いませんか?

しかし、自動車マスコミというのはいい加減なもので、またそれに左右される読者もまたいい加減であります。たとえば、
W126は、さすがバブルの時に開発されただけあって、、」 おいおい、、W126は、オイルショック後の、省燃費時代に向けたもでるだっつーの。さては、「W140は、バブルの真っ只中で開発され、、、」 オイオイ、80年代半ばから、デビューの91年ごろのドイツは、景気なんかあんまりよく無いですよ。

私の完全なこじつけですが、ベルリンの壁が崩壊したのが、89年ですから、MADE IN WEST GERMANY最後のメルセデスの作品だったがゆえに、気合が入りまくったのではないか??というのは考えすぎでしょうか?

トーマス・フリードマンが書いた 
「フラット化する世界」というベストセラーがあります。お読みになった方もおられると思いますが、大雑把に説明すると、「80年代後半からの「IT革命」と、「冷戦終焉」が、新興国を巻き込んだグローバル化と、猛烈な勢いで進むサイバー社会という、今日の潮流を生み出し、世界はフラット化した。今後、そのフラット化の勢いはますます強まるだろう」トーマス・フリードマンは、著書「レクサスとオリーブの木」で、レクサスを、グローバリゼーションの象徴として描きましたが、私は、メルセデスこそが、グローバル化の影響を最も受けた企業ではないかと思っています。 なぜなら、冷戦崩壊の最大のきっかけとなった「ベルリンの壁の崩壊」はドイツの社会を大きく変えたばかりか、欧州の自動車産業を根本的に変えてしまったからです。
当時、EUの中で最も経済的に強かったドイツが、失業率は二桁以上がずっと続く、欧州経済の牽引役から、お荷物に成り下がってしまった。しかし、政府は安易な財政出動に頼ることなく、着々と地味な構造改革を続け、十数年の長い雌伏の時代を経て、ドイツはは再び世界の主役へと復活しつつある。米国の凋落が明らかになる中で、EUの拡大は、近隣のロシアにも中国にもまたとない経済成長の好機であるし、中近東、北アフリカ、南米の国の多くが、親欧政権である。さらに、高齢化社会への対処として福祉国家のモデルを考えたり、環境問題への積極的な取り組みなど、まさに、21世紀は欧州の世紀になるであろう。その中でもドイツの果たす役割は大きい。

この二十年の世界の変化はあまりにも大きく、メルセデスも大きく変化した。当然、メルセデスが生産する車も大きく変化している。CやEクラスのような量産モデルはBMW、AUDI、トヨタのようなライバルにかなり接近されており、かつてのベンチマークとしての役割は果たしていない。もうメルセデスは特別な車でもなんでもない。しかし、S、CL、SLのような高級車の世界はまだまだ強い。ここは、まだライバルたちが簡単には、追いつけない世界だ。やはり、経験と歴史が違うと言わざるを得ない。この分野でのメルセデスの独壇場は当分続くでしょう。
確かに、先代EクラスのW210は、そのベンツらしからぬクオリティで、ベンツ神話を完全に過去のものにしてしまった。しかし、当時のドイツは、東西統合のあおりで、景気は悪化し、ダイムラーの他部門は、大きな赤字が続き、とても昔のような丁寧な自動車作りを続ける事は出来なかったのである。しかし、そんな御仁には、先々代のSクラス、その中でも12気筒モデルはお勧めである。

バランスは決して良いとは言い難いが、流行のマーケティングなどには目もくれず、その当時として出来るだけの事はやったという気合が感じられる。 また、近年は円高とOEMパーツの流通や、専門工場がかなり出てきた事で、リーズナブルな整備も可能になってきた。でも、お金のかからない極上のW140の12気筒なんてあるのでしょうか?それがまだ沢山あります。カーセンサーや、ヤフオクをよくウォッチしてください。

今、140の人気は、W126にすら負けており、程度の良いW126のほうが、高いくらいだ。W140は、ボディの巨大さと、押しの強さ、またヤーサン的なテイストで、正直不人気です。でも、不思議な事にW126がそのヤーサンテイストでは、史上最強だったのだが、町でたまに見かける手入れの行き届いた綺麗なW26は、景色を一変させるだけのオーラがある。今はまだ、W140は、変な窓も真っ黒でエアロをまとったVIP仕様が多く、かなり近づきづらいのだが、ノーマルモデルは意外と上品だ。今、六本木で最も近づきたくないのが、白のW220のロリンザー仕様である。やーさん濃度では、すでにW220が最強だ。

ねらい目は、法人登録で、地方のガレージでひっそりと眠っていたというような車である。探せば、こういう車がまだ沢山存在するのだ。まあ、中古車の紹介コメントに「法人ワンオーナ一」とか、さも大事に使っていた風に書いているのがある。しかし、法人と言っても、ほとんどが零細企業なので、個人商店と変わらないので、程度が良いとは限らない。ここでいうのは、地方の同族系企業で、社用車として登録していたような個体を指す。この手の車が売りに出てくる時があれば、購入を検討しても良い。

売りに出る理由は、、①社長は高齢になった事 ②やはり車体が大きすぎる事 ③世間体が悪い、などで結局はあんまり乗らなくなって、ガレージ仕舞い込みになってしまったパターン。さらに、その社長が他界したので、ディーラーが引き取るのだが、地方ではこんな車は売れず、しようがなくブローカーに転売もしくは、オートオークションに出品するも、大した値がつかず、流れ流れてヤフオクなどに出品されている個体などが面白い。

又、なぜ地方なのかと言うと、都会はこの手の車を買いう人は飽きやすく、また浮き沈みの烈しい世界の人が多いので、車の回転が速い傾向がある。また、このような高級車をずっとガレージに仕舞い込むような酔狂というか、鷹揚な人は少ない。売るにしても、すぐに買い手がつくのでどんどんオーナーが変わる。しかし、オーナーが変わるごとに車が痛むし、このような大排気量車が都心の渋滞を徘徊しているだけで、機関部分が相当に痛むので、どんどん加速度的にコンディションが悪化していくのだ。 そうすると、売値も安くなり、買う人はどんどん所得の少ない人が買うので、ますますコンディションは悪くなるという負のスパイラルが発生してるのだ。W140の12気筒は、金がかかると言うのは、こういうのを良く考えずに買ってしまった人たちがいっているのではないかと思う。

さらに、私の経験では、かなりの確信を持って言える事がある。「やはり中古外車は元が大事」という当たり前の事実である。もっと言うと、「走行距離の低年式で走行距離の極く少ない車はお買い得である」と言うもの。。外車中古車業界では根強く、「距離じゃない、程度だよ」という言説がまかり通っています。中には、「距離を走っているのは、調子が良い証拠ですよ」とかね。。しかし、「距離の出ていない程度の悪い車より」も、「距離の出ている極乗車」が多いとはとても思えません。


やはり、走行距離は大事です。距離が関係無いのであれば、どうして販売価格に差があるのでしょうか?

おすすめ!!スーパーオートバックスの手洗い洗車 

近所にあるスーパーオートバックスでお買い物中に、洗車をお願いしました。30分くらいかけて、大人3人で手洗い洗車してくれました。ホイールも専用のブラシと溶剤で丁寧に汚れを落としてくれました。ガソリンスタンドのやっつけ手洗い洗車とは次元が違います。これで、¥2000はお得ではないでしょうか?
感動したのは、ポジションランプの切れも指摘してもらったこと。よく見てくれています。

AMG S600L 6.0 タイアを交換する

これも、7月の話ですが、AMG S600L 6।0 が私の元に来てから、まず最初にやらねばと思っていたのが、タイアの交換です。純正のサイズは、255/45/R18という、今となってはファミリーカーでも履いているようなサイズですが、90年代の半ばでは、なりのハイパフォーマンスカーにだけ許された特別なものだったと思います。

現在履いているのは、BSのレグノですが、もう少し安いものを、、、といつものヤフオクで探していたら、DunlopSP9000という、ハイパフォーマンスモデル用のタイアが、何とコミコミで4本で5万以内でゲットできました。えっーSP9000ってこんなに安かったの?有難味がないような。。。
翌日、同じ自動車仲間の「わんこさん」主催の「湘南オフ」に、出撃するため、恥をかいてはならずと、急きょ、タイアの交換を行いました。そう、その日の午前中は、築地の聖路加国際病院に、人間ドックに行ってたんですね。。※そこで、糖尿病の疑いを指摘され、食生活の改善を求められる。

頼んだ業者さんは、神奈川県の西部を中心に、この道13年、推定交換本数 8万本という、タイアの出張取り付けのプロ、 「湘南宅配ピットマン」さんを、ヤフー・オークションで見つけて、お願いしました。
ちなみに、1本の交換工賃(消費税込み)【車両への脱着+タイヤ組替+ホイールバランス調整+ゴムバルブ新品交換(エアー注入口が鉄製・アルミ製のバルブの場合、バルブコア(通称『ムシ』)のみ新品交換します。)、全て込み】※10インチ~14インチ:1,050円※15インチ~17インチ:1,365円※18インチ~20インチ:1,680円※使用済みタイヤ処分料:315円

鎌倉、逗子、葉山などだと、出張料が500円かかりますが、総額 1万円以内というのはかなりお得でしょう。
作業はすべて手作業で行います。こんな感じです。

交換後の、走行インプレッションは、うーむ。レグノやヨコハマのdBのような、しっとりかつ静寂なタイアしか経験したことがないので、こういう重量級のスポーツカー用のタイアって、横の剛性が強くって、結構突っ張る感じがしますが、さっすがにグリップ力が、5年落ちのレグノとは、段違い平行棒です。うーむ。これは、いいタイアだと思います。

乗り心地も、当然ながら改善し、非常に納得のいくタイア交換でした。


今回、成仏されたBSレグノ。いくらレグノでも、こんなになってはねえ。1.5万kmでこうなるっていうのも、この重量とパワーのせい。

R129 600SL 富士通ワンDIN カーナビを装着

6月のことになりますが、600SLへ、富士通テン HD-NAVI AVN078HDと、ETCと、キーレスエントリーを、出張業者に依頼し、取り付けてもらいました。出張料金込みで、全部で32000円は、中々リーズナブルです。特に、この車は並行車なので、キーレスエントリーがパルス式なので、中々接続が難しく、お手上げ状態でしたが、何とかうまく装着できました。
このNAVIは、説明書を見るだけでは、1DINなので簡単そうに思えますが、R129の場合、ピラーを外したり、フロントガラスの上辺のカバーを外したり、結構大変で、、プロが施行しても、二人ががりで3時間はかかりましたので、一人でやったら、絶対に一日では済まず、結局はプロに泣きつくことは目に見えています。


今回は、若い二人のお兄ちゃんが、やってきたので、ちょっと不安でしたが、かつては、オートバックスで働いていた経験を生かし、独立開業したらしく、普段は、車検から、中古車販売から、NAVI取り付けから、なんでもやる、所謂「車の何でも屋」で、「速い、安い、うまい」がモットーですから、中々頼りになります。


ウッドパネルだらけの600SLに、何の養生テープも貼らず、いきなり作業し始めたのを見て驚きましたが、見たところ、なかなか器用な方だったので、後は安心してお任せしておきました。しかし、ずっと見ていないと、ねじが紛失したり、内装のツメや金具を紛失しても、ごまかされてしまいますので、その辺は作業を手伝いながら、チェックは怠りませんでしたが。。。案の定、数箇所、パーツの欠損と、紛失があり、後日やり直しをしていただくことになりました。


自分でオーディオやNAVIをDIY取り付けした経験から言うと、ベンツは本当にやりづらいです。特に、SLは、癖があって、難しいです。。シートなど重くて、外れないですし、ダッシュの分解も本当に大変。。。ウッドパーツも多く、ちょっとの油断で、傷をつけてしまいます。業者がやりたがらないのは、良く分かります。と言うことを考えれば、今回の施行料金は格安と言えるでしょう。
今回装着した、富士通のNAVIは、1DINにNAVI,CD,DVD,HD,ワンセグ、アンプ、などの機能を納めた、外車ユーザーへの福音とも言うべき、高機能モデルです。現在、実売価格で19万程度ですが、これだけの機能で、CDチェンジャーもアンプも、ハイダウェイも、GPSアンテナも、不要なので、インストール料金も、車輌に対しての加工も少なくて済むので、かなりお徳感があります。

実際に、使用すると、検索スピードの速さ、AVメニューの豊富さ、DVD画像の美しさに驚きます。さすが、VGAディスプレイです。NAVIの操作もすべてタッチ式で、はじめは難しく戸惑いますが、なれると面白い。ipodにも接続可能なので、同乗者の好きな曲をかけることも可能です。ただ、このR129のすべてかどうかは別として、スピーカーの音がかなり悪い。本格的なスピーカーのインストールだと、また大ごとになりますが、なんとかマシなものに交換したいものです。


私の経験では、旧いポンコツ車の近代化には、タイア交換や、最低限のブッシュ交換は行ないますが、下手に足回りを追い込むよりも、見た目重視で、外装はガラスコーティング・コーティング、ムード重視で内装はクイック・ブライト&スチームクリーナーで清潔感を追求し、最新のNAVIやオーディオで、乗り心地や騒音を、良質な音楽や映像でうまくごまかして、「七難かくす」という、最も効果的なチューニング手法で極上かを図った方が、効果的ではないかともいます。

2008年5月6日火曜日

最後のMade  in West Geramany W140 600SEL

う、この車を手に入れて5年の月日が経とうとしています。購入時の走行距離は8000km、 現在は1.7万km。この五年間、故障らしき故障なし。いたって丈夫です。今年になって、同じW140のAMGS600L 6.0を手に入れましたが、この車を手放すつもりはさらさらありません。それぐらい気に入っています。昨年の夏に、16年ぶりのリフレッシュ整備を施し、このコンディションを味わえるだけでも値打ちがあると思っています。

思えば5年前、埼玉のとある建設業の社長さんから譲ってもらったワンオーナーの600SELは、当時のメーターは6800kmという信じられないコンディションでした。社長さんは、やや右よりの方だったようで、リアのガラスには菊の紋章が、、、怖いお仕事の方かと思いましたが、遺族会のお仕事をしておられたようです。色も、不人気なスモークシルバーで、内外装はどノーマルのブラックレザー。右の席や、後席など座った形跡がありません。

名義変更後、すぐに修理工場に駄目だしの定期点検に出しましたが、大きな問題は指摘されませんでした。しかし、600SELの特徴でもある、ドアオートクロージャーが作動せず、パワーウインドウも、止まる位置が変なので、何度も押したりしないとちゃんとしまらない状態、ブレーキのタッチもイマイチ(特に待ち乗りのときに、ドドッという振動あり)なのが、気にはなっていましたが、、、私もこの頃は、あんまり整備にいお金を掛ける事を避けていましたので、まあこんなもんだろうとダマシダマシ乗っていたんですね。それでも、十分に満足していました。
購入後、壊れた箇所は、マイナーな箇所ばかりです。運転席側のパワーウインドーのスイッチが陥没。サイドミラーの調整のノブが割れてしまう、右のサイドミラーの内部のモーターをつないでいるリンケージが損傷し、不動になるなど、、マイナーなものばっかりです。エンジン、エアコン、足回りには大きなトラブルはありませんでした。本当に頼りになるいい車です。

それが、昨年の夏に、ハンドルがわだちに取られるようになり、今までのお詫びも込めて、タイアを新品(ヨコハマ db)に交換したところ、やはり驚くべき変化があり、だったらいっそのこと、足回りもやってしまえ!!と、今後も長期で乗ることを念頭に置いて、16年ぶりのリフレッシュを敢行するため、雑誌などで評判の高い港北区のオートプライドに入庫させました。 この工場は、ツボを押えた整備と、部品も純正新品、OEM新品、中古部品などを適材適所に使い分けてくれる、直せる部品は、OHや中古部品を分解&移植など、ありとあらゆる手を使ってリーズナブルに直してくれます。 元ヤナセの社員を中心に、敏腕メカニックが揃っており、非常に人気の高い有名店です。よって、入庫は二、三週間待ちがザラと言う状態ですね。

PWやオートクロージングは購入時から壊れていましたし、キーレス・エントリーは下手くそなオーディオ屋のやっつけ仕事が原因です。リアの後付サブウーハーは、単なる配線の外れでした。でも、よく考えてみれば、私が購入してからは、右ドアミラー以外は、全く壊れていないという恐るべき信頼性。。。。。楽しみなのは、キャリパーのOH後のフィーリングです。すでに15年以上が経過しているので、中でグリースが固着しているとの事。ローター&パッドはまだまだ使えそうですがキャリパー交換をすると工賃が不要なので、一緒にやってもらいました。

待つ事三週間、、、ここは整備が遅いのです。。。。。上がってきたW140を帰りの第三京浜、横浜横須賀道路で、まあまあのペースで走ってみましたが、改めて、、こんなにいい車だったのかと驚きました。ブレーキキャリパーOH、ローター&パッド全交換、フロントアッパー・アーム、リア・ナックルジョイントの交換を経て、足回りは全く別物に生まれ変わりました。このビシッとした乗り心地を得て、あたかもボディ剛性すら向上したように感じます。ブレーキのフィーリングも「巨人に後から髪を引っ張られるが如き(CG風)」に変化しました。

W140のあのフワフワした感じ、ブレーキを踏んだときのフ
ィーリングの頼りなさは、この車種特定の要因かと思っていましたが、それは私の勘違いでした。この走りはかなり高級です。上等のフランネルのスーツを着て、これまた上等の英国製の靴を履いたときのような感触。やっぱりメルセデスは消耗品はケチってはいけません。
その直後、ベントレーに乗りましたが、やっぱり何から何まで旧い。。。比較すること自体に無理があります。15年オチのW140と比べても相当旧いのだから、これはもうネオクラシック・カーの部類のクルマですね。そこが魅力なんですけどね。






2008年5月4日日曜日

「高慢と偏見」 Pride and Prejudice AMGS600L 6.0

  「高慢と偏見」Pride and prejudice  ジェイン オースティン作
元気はつらつとした知性をもつエリザベス・ベネットは、大地主で美男子で頭脳抜群のダーシーと知り合うが、その高慢な態度に反感を抱き、やがて美貌の将校ウィッカムに惹かれ、ダーシーへの中傷を信じてしまう。ところが…。ベネット夫人やコリンズ牧師など永遠の喜劇的人物も登場して読者を大いに笑わせ、スリリングな展開で深い感動をよぶ英国恋愛小説の名作。
私が、AMGに抱いていたイメージこそ、このAMGの高慢さに対しての偏見でありました。

四月上旬、横浜のとあるい外車専門店で、、、97年式、AMG CL600 7.0 エメラルド・ブラック 4.8万kmワンオーナー、D車という格好のサンプルがありましたので、試乗させてもらいました。まず見た目は、W140よりも、背が低く、全長が短いので、想像していたより取り回しは悪くないなという印象を受けました。既に日が暮れていたので、内装もよく見えなかったのですが、ノーマルのモデルとは、作り込みが違います。ウッドと革のオンパレードで、かなりの高級感があります。天井はアルカンタラ張りでした。自分のW140が、簡素に思えます。

では、試乗。昨日は、雨だったので、あんまりアクセルは踏めませんでしたが、流石に小生のノーマル140と違って、7.0 500馬力は大したものです。私に、このようなハイ・パフォーマンス車を評価するような、腕も経験もありませんが、自分の感覚をそのまま記すと、走行中は、ノーマルと体感上の差はさほど無いのですが、メーターを見てビックリと言う感じです。90年代までのAMGは、現代の評価基準で言えば、決してバランスは良くなく、代々に語り継いでいくような所謂「名車」と呼ばれるモデルは少ない。しかし、今でも我々のような中古車好きが食指を伸ばしたくなるような、魅力的なモデルも多々ありますね。


今回試乗したCL600 7.0も、そのうちの一つでした。多分、もうこのV12の7.0リットルというエンジンはもう二度と作られる事は無いでしょう。AMGのフラッグシップであると同時に、当時として、出来ることは全てやったというメーカーの「気合」は、10年落ちのこの車輌からも消え失せていないどころか、ますます濃厚に感じられました。

それから二週間後、私はAMGS600L 6.0を手に入れました。三重県に住むオーナーの元に引き取りに行った帰り、高速道路を中心におよそ400kmほど走行しました。結論から言うと、近年、私が入手した、あるいは経験した車の中では、極めて印象に残る車輌でした。これは、多分長い付き合いになりそうです。

しかし、買って、乗って、経験して初めて言えることは、世間でAMGほど誤解に満ちたブランドは他には無いのではないでしょうか?このW140ベースの12気筒のAMGには、三種類あるそうです。まず初期型のAMG600SELは、エンジンは、ノーマルで、アルミ、サス、マフラーエアロの4点セットに、オプションで特別内装というモデル。次に、S600L6.0は、エンジンをややいじって、440psにパワーアップし、先ほどの4点セットに加えて、より豪華なオプション内装が選択できるタイプ。私の購入したモデルはこれです。そして、7.0とか7.2というのは、馬力も500ps以上まで調教され、足回りもそれなりに変更刺されているタイプ。(ボディへの増し溶接も行なっていると思われる)これは、そもそもワンオフに近いので、流通そのものが殆ど無い。

当車輌は、ある関西の組織の長が、数年保有した後、下取りに出したが、流石に関西でさばけないので、名古屋のある外車屋(偶然、昨夏にカマルグを買おうとした店だった)に持ち込み、そこでも数年売れず、お店の名義で保有し、前オーナーがその店と懇意にしていた事から、これも何かの縁と、5年前に購入したとの事。前オーナーによると、初代オーナーは、流石に整備は徹底的にやっており、消耗部品や、準消耗品はすべて定期的に交換していたようで、自分がやることが、マウント関係の交換、油脂類の交換くらいしか無かったという。しかし、彼も、自分の所に来てからも、その間、屋根付のガレージに眠っており、5年で1万kmも乗っていないようだ。

田舎の空いた大きな国道を、ゆっくりと走らせてみる。はっきり足が硬いのが分かる。W140の12気筒モデル特有の、船で揺すられるような、フィーリングは一切無い。ブレーキング時、加速時、レーンチェンジ時、姿勢は極めて安定している。しかし、一般道での乗り心地は決して良くは無い。今ではとりたててて珍しくもない255/45/ZR18のタイアは、路面のわだちに敏感で、高速のつなぎ目には、それなりのショックを伴う。エンジンは、AMGの真骨頂であろう。数値的な出力は、ノーマルの10%増しなのだが、体感的には、15%増しという感じ。はっと気付くと、一般道でも100Kmになっている。加減速の際に、姿勢変化が無いので、スピードを感じにくいのだ。高速で、普通のペースで流していると、140Kmになってしまう。300kmメーターは怖い。内装は、素晴らしいとしか言いようがない。



元の600SELを知っているだけに、この作りこみの凄さが分かる。これだけでも買う価値はある。ロールス&ベントレーとはまた違う浮世離れした風情がある。私のは、グリーンとベージュのコンビと4座シート。ダッシュは、全て革張りのステッチ入り。天井はアルカンタラ。左右のドアもウッド尽くしで、開閉が重い。これはうれしい悲鳴だ。 やはり、ノーマルとの差額分だけきっちり仕事してあるという意味では、AMGも大した物だし、その分セッティングには時間とお金と経験が必要ということも感じられる。他のクルマでは、このような昂揚感は味わえない。

ベントレーにDYAUDIO ESOTARを装着

また、過去ネタから、、、時は遡って、2006年10月の話。

さいたまの大宮のオーディオショップ「PEACE」
で、ベントレーのオーディオ装着をお願いしました。このお店は、店主はまだ30歳くらいとお若いのですが、パイオニアのカロッツエリアXのコンテストの常連であり、ドイツの有名メーカー「ブラックス」のコンテストでも優勝した実力店です。店主は、もともと電装関係のお仕事だったようですが、趣味が高じてオーディオの世界に入り、ショップを構えるに至ったようです。と言っても、本当に気さくで、礼儀正しく、オーディオが好きで好きでしょうがないという店主のこだわりとチャレンジ精神が伝わってきます。

私がこのお店を知ったきっかけは、2005年の幕張のカーオーディオのイベントで聴いたデモカーの中では最も、グッとくる音色を実現していたからです。今回使用した、ディナウディオのエソターと呼ばれる巨大なツイーター(15cmくらいの直径)は、イタリアの高級スピーカーメーカーである、ソナスファベールにも使われており、弦楽器の再生においては他の追随を許さないメーカーであります。

このESOTARを如何に装着するかが、今回の大きなチャレンジでした。 そして、問題は16cmウーハーです。ディナウディオのウーハーは鳴らしにくいので有名です。ベントレーのドアは前の三分の一くらいのとこで仕切り板があり、容量がかなり小さくなっています。ここでの背圧を上手に調整しながら、出てくる音のピーク・ディップなどの問題を巧くまとめながら、スピーカー本来の音色を引き出すのは、素人にはまず無理でしょうね。



プロショップはデッドニングでも、車種、スピーカーの種類、装着位置で、プチルゴム系やアスファルト系のものを上手に使い分けます。また、バッフル板も、MDFやアピトン合板やシナ合板など、様々な特色を活かして使い分け、ベストな調整を行うのです。なお、カタログデータでは分からない、(そもそもカタログデータはかなりばらつきが多いので信用に値しない)し、スピーカーも装着するとインピーダンスがかなり変化しますので、やはり自分の耳が最後の頼りではないかと思います。



最近では、カロッツエリアXなどのデジタル・プロセッサーが大流行ですが、実際に聴いた感じの満足感は、アナログだろうがデジタルだろうが、最後は自分の好みになってくるので、お店の方の腕を信じるしかありません。幕張に参加していたデモカーの多くが、カロッツェリアXとソニックオーディオやビーウィズなどの人気スピーカーの組み合わせだったのですが、どの車を聴いても同じに聴こえました。その中で、飛びぬけて音が良かったのは、石川県のアンティフォン、長野県のペーパームーンと、大宮のPEACEでした。

実は当初、ヘッドユニット及びアンプ、DAコンバータ、ケーブル関係をプロの方に頼み、最後のスピーカーのみ、自分でインストールしようと、カナダのAVIの旧型の3wayを何とかして入手し、ドアの内張りをはがし、デッドニングまでしましたが、、、、挫折しました。 過去に、数回、ハイエンドオーディオをすべて自分で取り付けたことがあるのですが、かなり大変です。内装をばらす、ねじを外す、ケーブルを引く、週末ごとにチビチビ作業して、片付けて、又チビチビ作業して、片付けてを繰り返しているうちに、パーツが消えてしまったり、装着方法が分からなくなったり、結局車を傷めてしまい、価値を下げるだけだと気づきました。



確かに付けて音を出すだけならば、素人でも出来なくは無いのですが、仕上がりが全く違います。そして何よりも音のまとまりが違うのです。DIY整備は楽しくお金の節約にもなりますが、「プロ」の仕事をどう考えるかという問題は人それぞれでしょう。自動車整備の作業工賃は、時間当たり8000円前後だと思います。当然、その中には、利益は当然として、工場設備や工具など、、そして何よりもそのプロが一人前になる為に要した時間というものも入っているわけですから、そんなに暴利ではないと思います。

私も20代の頃は、相当カモられましたし、嫌な思いもしました。今のようにインターネットもなく、マニアックな車だと情報が限られていますから、悪徳ショップや正規ディーラーの言いなりになっていましたね。今思い返せば馬鹿馬鹿しい限りですが、それも一つの人生勉強で、決してムダではなかったと思っております。やはり「その道のプロ」の仕事には学ぶ点も多く、雑誌には載っていないが「技術レベルが高く、良心的な工場」や「若いけど勉強熱心な職人」などと出会う事は、中古車趣味の醍醐味といってもいいでしょう。

又、逆に雑誌にも載っている有名なお店だけど、実際はたいした事なかったり、あまりにも自信満々だったり、個性が強すぎたり、またあまりにも商売熱心すぎて、自分とは合わない場合も多々あります。よく「中古車選び」は「店選び」、「店選び」は「人選び」と言われます。中古車は新車に比べて、かなりの人間が介在しますし、そういう付き合いを上手にすることは、なかなかの人生修行になると私は思っております。

カーオーディオの世界で、「前方定位」という表現があります。ダッシュボードの向こう 側に、音場が結ばれるという状態を指しますが、これを実現させる為に、デジタル・カー オーディオの世界では、タイムアライメントやデジタル・ネットワーク、イコライジングという画期的な解決策が提案され、一気に水準を引き上げましたが、逆に趣味性という ものから、どんどん乖離しているように思います。私は、かつてはデジタル音場派でした が、ああいうピンポイント定位の手法に興味を失って、限りないユニット志向の音色派になってしまいました。


装着したばかりのディナウディオのEsotarの鳴り具合は、まだエージングも半ばだったので、まだこれからと言う感じですが、雰囲気だけは、ムンムンしています。アンプもオーディソンの旧型のVRシリーズですので、相性もよろしいのではないでしょうか。そんなことよりも、Esotarの支配力があまりにも強いので、ヘッドがマッキンだろうがアンプがオーディソンだろうがあんまり関係ないのです。。エンクロージャーに入れて、正面から聴いてもかなり強烈ですが、車内の狭いスペースで真横から、鳴っているのもまた凄いものです。