巷では、「12気筒のベンツは本当に壊れる、修理代にいくらかかるか分からない、手を出すべきではない」という定説がまかり通っています。小生は現在、3台の12気筒ベンツを所有していており、それぞれモデルも年式もコンディションも違うので、一概には言えませんが、私の出した結論は、「ベンツの12気筒モデルは、いいものをじっくり選らんで買えば、驚くほどお金がかからない」
でもこんな声が聞こえてきそうです。「いや、それはあまりに楽観的過ぎるのでは?実際にあちこっちで悲劇が起こっているじゃないですか? 「くるまにあ」や「GERAMANCAR」には、W140はS320が買いと書いてありましたよ?」確かにその通りだと思います。しかし、小生は、あくまでもW140は12気筒を買うべきだとここで皆様に強いリコメンドをしたい。なぜなら、メルセデスの旗艦モデルには、その時代の自動車としての理想が込められており、「最善か無か」で知られる、妥協を許さない車作りで知られるメルセデスが、十年近い開発期間をかけて気合を入れて作った車が悪いはずが無いと思いませんか?
しかし、自動車マスコミというのはいい加減なもので、またそれに左右される読者もまたいい加減であります。たとえば、「W126は、さすがバブルの時に開発されただけあって、、」 おいおい、、W126は、オイルショック後の、省燃費時代に向けたもでるだっつーの。さては、「W140は、バブルの真っ只中で開発され、、、」 オイオイ、80年代半ばから、デビューの91年ごろのドイツは、景気なんかあんまりよく無いですよ。
私の完全なこじつけですが、ベルリンの壁が崩壊したのが、89年ですから、MADE IN WEST GERMANY最後のメルセデスの作品だったがゆえに、気合が入りまくったのではないか??というのは考えすぎでしょうか?
トーマス・フリードマンが書いた 「フラット化する世界」というベストセラーがあります。お読みになった方もおられると思いますが、大雑把に説明すると、「80年代後半からの「IT革命」と、「冷戦終焉」が、新興国を巻き込んだグローバル化と、猛烈な勢いで進むサイバー社会という、今日の潮流を生み出し、世界はフラット化した。今後、そのフラット化の勢いはますます強まるだろう」トーマス・フリードマンは、著書「レクサスとオリーブの木」で、レクサスを、グローバリゼーションの象徴として描きましたが、私は、メルセデスこそが、グローバル化の影響を最も受けた企業ではないかと思っています。 なぜなら、冷戦崩壊の最大のきっかけとなった「ベルリンの壁の崩壊」はドイツの社会を大きく変えたばかりか、欧州の自動車産業を根本的に変えてしまったからです。
当時、EUの中で最も経済的に強かったドイツが、失業率は二桁以上がずっと続く、欧州経済の牽引役から、お荷物に成り下がってしまった。しかし、政府は安易な財政出動に頼ることなく、着々と地味な構造改革を続け、十数年の長い雌伏の時代を経て、ドイツはは再び世界の主役へと復活しつつある。米国の凋落が明らかになる中で、EUの拡大は、近隣のロシアにも中国にもまたとない経済成長の好機であるし、中近東、北アフリカ、南米の国の多くが、親欧政権である。さらに、高齢化社会への対処として福祉国家のモデルを考えたり、環境問題への積極的な取り組みなど、まさに、21世紀は欧州の世紀になるであろう。その中でもドイツの果たす役割は大きい。
この二十年の世界の変化はあまりにも大きく、メルセデスも大きく変化した。当然、メルセデスが生産する車も大きく変化している。CやEクラスのような量産モデルはBMW、AUDI、トヨタのようなライバルにかなり接近されており、かつてのベンチマークとしての役割は果たしていない。もうメルセデスは特別な車でもなんでもない。しかし、S、CL、SLのような高級車の世界はまだまだ強い。ここは、まだライバルたちが簡単には、追いつけない世界だ。やはり、経験と歴史が違うと言わざるを得ない。この分野でのメルセデスの独壇場は当分続くでしょう。
確かに、先代EクラスのW210は、そのベンツらしからぬクオリティで、ベンツ神話を完全に過去のものにしてしまった。しかし、当時のドイツは、東西統合のあおりで、景気は悪化し、ダイムラーの他部門は、大きな赤字が続き、とても昔のような丁寧な自動車作りを続ける事は出来なかったのである。しかし、そんな御仁には、先々代のSクラス、その中でも12気筒モデルはお勧めである。
バランスは決して良いとは言い難いが、流行のマーケティングなどには目もくれず、その当時として出来るだけの事はやったという気合が感じられる。 また、近年は円高とOEMパーツの流通や、専門工場がかなり出てきた事で、リーズナブルな整備も可能になってきた。でも、お金のかからない極上のW140の12気筒なんてあるのでしょうか?それがまだ沢山あります。カーセンサーや、ヤフオクをよくウォッチしてください。
今、140の人気は、W126にすら負けており、程度の良いW126のほうが、高いくらいだ。W140は、ボディの巨大さと、押しの強さ、またヤーサン的なテイストで、正直不人気です。でも、不思議な事にW126がそのヤーサンテイストでは、史上最強だったのだが、町でたまに見かける手入れの行き届いた綺麗なW26は、景色を一変させるだけのオーラがある。今はまだ、W140は、変な窓も真っ黒でエアロをまとったVIP仕様が多く、かなり近づきづらいのだが、ノーマルモデルは意外と上品だ。今、六本木で最も近づきたくないのが、白のW220のロリンザー仕様である。やーさん濃度では、すでにW220が最強だ。
ねらい目は、法人登録で、地方のガレージでひっそりと眠っていたというような車である。探せば、こういう車がまだ沢山存在するのだ。まあ、中古車の紹介コメントに「法人ワンオーナ一」とか、さも大事に使っていた風に書いているのがある。しかし、法人と言っても、ほとんどが零細企業なので、個人商店と変わらないので、程度が良いとは限らない。ここでいうのは、地方の同族系企業で、社用車として登録していたような個体を指す。この手の車が売りに出てくる時があれば、購入を検討しても良い。
売りに出る理由は、、①社長は高齢になった事 ②やはり車体が大きすぎる事 ③世間体が悪い、などで結局はあんまり乗らなくなって、ガレージ仕舞い込みになってしまったパターン。さらに、その社長が他界したので、ディーラーが引き取るのだが、地方ではこんな車は売れず、しようがなくブローカーに転売もしくは、オートオークションに出品するも、大した値がつかず、流れ流れてヤフオクなどに出品されている個体などが面白い。
又、なぜ地方なのかと言うと、都会はこの手の車を買いう人は飽きやすく、また浮き沈みの烈しい世界の人が多いので、車の回転が速い傾向がある。また、このような高級車をずっとガレージに仕舞い込むような酔狂というか、鷹揚な人は少ない。売るにしても、すぐに買い手がつくのでどんどんオーナーが変わる。しかし、オーナーが変わるごとに車が痛むし、このような大排気量車が都心の渋滞を徘徊しているだけで、機関部分が相当に痛むので、どんどん加速度的にコンディションが悪化していくのだ。 そうすると、売値も安くなり、買う人はどんどん所得の少ない人が買うので、ますますコンディションは悪くなるという負のスパイラルが発生してるのだ。W140の12気筒は、金がかかると言うのは、こういうのを良く考えずに買ってしまった人たちがいっているのではないかと思う。
さらに、私の経験では、かなりの確信を持って言える事がある。「やはり中古外車は元が大事」という当たり前の事実である。もっと言うと、「走行距離の低年式で走行距離の極く少ない車はお買い得である」と言うもの。。外車中古車業界では根強く、「距離じゃない、程度だよ」という言説がまかり通っています。中には、「距離を走っているのは、調子が良い証拠ですよ」とかね。。しかし、「距離の出ていない程度の悪い車より」も、「距離の出ている極乗車」が多いとはとても思えません。
やはり、走行距離は大事です。距離が関係無いのであれば、どうして販売価格に差があるのでしょうか?
主に欧州のV12やV8の大排気量の中古車を、今までの常識や定説にとらわれず、独自の視点で車を選び、整備、お店との付き合い方、、、などを記録していきたいと思います。 お気軽に、コメントを頂けると嬉しいです。。
ラベル
- DIYメンテナンス (82)
- Bentley TurboR (49)
- その他 (34)
- R129 500SL (23)
- W215 600CL (22)
- AMGS600L 6.0 (19)
- BMW E66 760Li (19)
- W140 600SEL (15)
- W140クーペ (14)
- Rolls‐Royce (13)
- BMW E38 750iL (12)
- お店 (10)
- VOLVO XC70 (9)
- Alfaromeo 164Q4 (8)
- W126 560SEL (8)
- R129 600SL (7)
- X300 ダイムラー・ダブルシックス (7)
- カーオーディオ (7)
- ユーノス・ロードスターVスペシャル (7)
- グルメ (5)
- 日産 F50 シーマ VX (5)
- BMW E23 745iA (4)
- トヨタ セルシオ 21系 前期型 (4)
- 旅行 (4)
- ダイムラー・ダブルシックス (3)
- MercedesBenz (2)
- イタ車 (2)
- レンジローバー (1)
- 地元ネタ (1)
- 新車 (1)
4 件のコメント:
先日W221のS550で高速を走らせて
もらいました。最新型で大変運転し易く
コンパクトに感じ 乗り心地 静粛性 ATの素晴らしさ 動力性能と申し分ありません
でした。
ただAMG 6.0を運転させてもらった
極まった余剰な感じ とでも申しましょうか
リッチさでは W140に及ばない気が
しました。
AMGの足回りも凄く良くできていて 人に
よってはW221の足回りより 滑らかさと
ダイレクトなフィールが好ましいと思うかも
しれません。
W140 それの12気筒に乗る。これは
ベンツという会社の車の最も贅沢な車に
触れる と言うことだと思った次第です。
先日の観音崎での走行で、好印象を持っていただいたようですね。ただ、あそこの道が空いていて、かつ結構スピードも出せたので、印象が良かったのではないかと思っております。確かに、路面の良い高速道路で、140km/時速くらいが一番気持ちいいですね。
タイアも、SP9000ですし、乗り心地重視ではないですが、ノーマル140との比較ができるので、面白いかなと思います。
やはりお、140に乗ると、SLは狭く感じますね。長距離ドライブには、140のほうが楽ですね。
秘かに雪道用4駆を準備してるのではと期待してましたが何か狙ってるころでしょうか?
最近は140の方はおとなしいですね。お伺いしたかったのですが、140を選んだのはわかるとして何故12気筒にしたのでしょうか? 世間では12気筒はヤバいというネガティブな声が多い中、600を揃えるとはエライと思ってますが。 実は僕も140 12気筒4台体制でして、最初は500にしようとしたところ12気筒好きの友人が140は600しかあり得ないと強く押すのがきっかけでS600に始まりS600 6.0、AMG 7L、CL600と買い足してどれも手放せず、頑張って乗ってます。CL600はADS付きで140はADSが付いて完成すると感じてます。7Lは造りの良さと600が遅く感じてしまうくらいの圧倒的性能で手放すことはないだろうと思うくらい気に入ってます。221には性能と乗り心地で負けますが、どっちをキープするかとなれば7Lです。今度機会があれば是非7L試して下さい。
トウユウさま、コメント有難うございました。
W140の四台体制とは恐れ入りました。周りからは同じのばかりと言われそうですが、これ以上の車は無いのだから、複数保有は自然の成り行きでしょうね。
しかも、W221もお持ちとの事。やはり、最新のベンツを乗った上で、昔のベンツを理解出来るのでしょうね。
W140のベストバイはV8の500とも直6のS320というのが定説のようですが、
乗ったことが無い人が訳知り顏で語っているだけではないかと思います。
やはり、メルセデスのV12、特に初期型のDOHCは、メルセデス史上最高のエンジンだと思います。
このエンジンを味わうためだけでも、V12モデルを乗るという選択はありかなと思います。
コメントを投稿