動力性能、乗り心地などは、もはや現代の基準では語ることはできませんが、中古ベンツへの入門車としては、W124よりはこちらを押したいと思います。工夫次第では、維持費もそうは変わりませんし、やはりW126には、深い深い魅力がありますよね。。
この二枚は、2001~2004年まで保有した
1983年型 500SELです。5800kmという、デッドストック状態で購入して、約1万km乗りました。足回りは、当時に日本仕様だったので、かなりブアンブアンで、CG誌のレビューでも、小林彰太郎氏が、欧州仕様のほうが良いというような記事を書いていたような記憶があります。
この車両の入手のエピソードは、後ほど別の機会にじっくり書きますが、W126の新車時に近いコンディションを3年間味わったのは、私の数少ない自慢の一つであります。
この二枚は、2006年に約1年間だけ保有した、89年式560SELです。英国仕様らしく、右ハンドルの並行車というマニアックな仕様。保管状態もよく、購入時4万kmでしたが、内外装は文句ないレベルでした。ただ、三大保有してこれだけは許せないものは、あのW126特有の室内のにおいです。私は、これを「校長室のにおい」と呼んでおります。
W126を維持してみてわかったことは、非常にメンテナンスしやすい車です。部品も、純正、OEM,中
古なんでもあり。ただし、あんまりボロイのを買うと、「砂漠に水をまくが如し」で、しなくてもよい苦労をする羽目になります。今、上程度のW126は少なくなったとはいえ、まだまだいい個体は探せます。ただし、足回りや駆動系、エンジンの消耗品関係、などはリフレッシュする必要がありますので、それなりの追加予算は必要です。
歴代のSクラスの中では、最も長く作られ、エンジンも排気量も様々なタイプがあり、年式、モデル、程度、色、内装、そこがこのSクラスの面白いところでもあります。 直列6気筒の300SEとV8の560SELは、フィーリングが相当違いますが、やはりその重厚な走りと、巌のごときボディのつくりは、一度味わったら、もうほかの車では満足できないほどの深い喜びを感じてしまうことでしょう。ただ、乗り味に関しては、独特の世界です。こればかりは、足回りの装交換を行っても、変わりません。
いろいろと思いだしながら、書いてみましたが、W126はベンツの歴史上「頂点」に君臨し続けたモデルです。当然、価格もべらぼうに高かったが、決して華美な車ではありませんでした。なぜなら、w126は、第一次オイルショックの後に、省燃費、安全、リサイクルなど新たな重大なテーマへのメルセデスからの解答であるからなのです。
現在、高級車において、W126のコンセプトや精神を受け継いでいるモデルは、今のベンツには勿論、他のメーカーにもありません。そういう意味でも、w126の魅力というには、まだしばらく色あせることはないでしょう。