中古外車を保有していて、1番嫌になるのは自分だけではなく、周りに迷惑をかけた時です。
この週末、両親の金婚式の旅行で、姫路のホテルに向かう途中、なんかミッションがギクシャクしだして、高速道路上で、トランスミッション オーバー ヒートという警告がでました。
そういえば、その日の朝、なかなかリアに入らなくておかしいなと思いましたが、鈍感な私はそこで気がつかずに、のんきに高速に乗ってしまいました。その日は、なんとなくアクセルとエンジンの反応がおかしく、停止時のキックダウンも違和感を感じました。
急いで、次のサービスエリアに入ってエンジンを切った所、エマージェンシーモードに入ったのか、
トランスミッションがドライブにもバックにも入らなくなってしまいました。
そこで、JAF に牽引してもらって一番近いBMW ディーラーに搬入し、なんとその場でリフトアップ、そしてミッションをチェックし、診断機につないだところ、トランスミッションの内部の損傷ではないかという話です。※その後メカトロニクスの異常というコードだと分かる。そこで、レンタカーに乗り換え、ホテルに到着したのは、予定を大きくオーバーして午後の九時前でした。
無事に家族旅行を終え、サービスセンターに引き取りに行きましたら、やはりトランスミッションがご臨終との事です。リビルドで100万、オーバーホールも可能ですが、値段は変わらないとの事です。
デルオートなどの、トランスミッション専門工事でやってもかなりかかりそうですから、今回は廃車になりそうな予感。。
ZF の6HPというタイプですが、1台目の760は3万キロ、今回は5万キロでご臨終です。しかし、1台目は同じ症状からバルブボディーのクリーニング、ソレノイドの交換、オイルパン、ストレーナー、ATFの交換、と調整で完治しました。
今回は、内部損傷の可能性も高いですが、前回と同じ様な作業で復活すれば儲けものでしょう。
オートマチックの専門の業者の人は、BMWの方針としてオートマオイル無交換は、やはり無理があるとの意見がほとんどです。私も、横着せずに購入後すぐに交換しておくべきでした。
そこで、前回と同じ工場「
ガレージヨリタカ」さんに入庫させて、プロの診断を仰ごうと思います。
早速、月曜日に明石のBMWサービスセンターからレッカー車で、豊中市にあるガレージヨリタカに入庫しました。BMWのフロントの方には、何の連絡もなしにいきなり車を引き上げたのも、無言のクレームのつもりです。今回は、自動車保険のサービスで50kmまでは無料のでしたので、追加費用は5千円ほど。
早速、トランスミッションを開けてバルブボディーをチェックしたところ、ATFは真っ黒で粘度も無くなっていました。工場長も、こんな色のATFは初めてだとのこと。
トランスミッションのエマージェンシーモードをリセットした後は、とりあえずは普通に動作し、前進、後退とも問題なく、心配していたトランスミッションの内部の破損ではなさそう。しかし、このATFの色が物語るのは、やはり高速道路でかなり高温になっていたということ。内部のクラッチディスクなどはダメージを少なからず受けていると考えるべきでしょう。
今回の原因は、バルブボディのどこかでリークがあり、ミッションの内部でATF が循環しない事から、油温が異常に上がり警告が点き、エマージェンシーモードに入ったとの事。このトランスミッションは基本的には丈夫なので、異常を検知すると走行不可能になるので、内部破損に至るケースはほとんどないそうです。
ZFの6HPは、5シリーズ、7シリーズ、ジャガー、レンジローバーなどにも搭載されており、トラブルが数多く報告されています。ZFは、この6 HPから電気式の制御を取り入れ、大パワーを効率的に伝達し、省燃費も実現しました。しかし、トラブルが多いわりには、効率的なリペアの手法も普及しておらず、ユーザー泣かせのATのひとつです。BMWディーラーでは、リビルドに載せ替えが当たり前で保証期間を過ぎた場合は、財布には大きなダメージとなります。
今回のディーラーの対応には不満はありませんが、もし
前回のオーバーホールの経験がなければ、廃車になっていたでしょう。
Automatic transmissionは、消耗品ではありません。ディーラーは、台数をこなして慣れてはいますが、本当のトラブルシューティング力はあまりないと思います。件のサービスセンターも、二十代らしき若手が大半で、てきぱき作業はしていますが、それだけです。
サービスフロントの責任者は、内部が破損している可能性が高く、リビルドミッションの交換以外の選択肢はないとの事。ロクに中身も見ず、診断機にあてても、はっきりした事はわからないのに、いい加減なものです。
ディーラーは、リビルド交換でも儲かるし、いっそ廃車にして、新車を売りつければ、こちらも儲かりますから、トランスミッションの故障はありがたい話なんでしょう。
BMWの方針として、エンジンオイル、オートマオイルは無交換ですが、日本の事情を考慮すればそれは非現実的なのは自明です。もしZFの6HP搭載している中古車を購入したら、真っ先にオートマチックオイルとオイルパン(ストレーナー一体型)を交換することをお勧めします。
では、修理後のインプレッション。
今回の修理でATFを二回も交換して、20リットルも使用し、真っ黒になったATFを全摘出しました。
さらに、バルブボディもオーバーホールし、圧力の低下の原因だったスリーブも交換、ストレーナー一体式のオイルパンも全効果です。
先週の水曜日に、修理から上がってまいりました。恐る恐る運転してみましたが、トランスミッションは全く正常に機能しており、修理前と比べて、シフトアップの際の滑らかさに脱帽です。
費用は、総額で20万円少々です。詳細はまた次回にでもご報告します。